取り敢えず、なんとなく必要にかられて印鑑を購入される方も多いことと思われますが、印鑑の重要性を知った上で正しく吟味して頂くようお勧め致します。
必要としている印鑑が、実印なのか、銀行印なのか、認印なのかをまず知って頂くことが大切です。
実印・銀行印・認印って何が違うの?
簡単に申しますと、用途が違うだけです。
実印は象牙でなければ・・・銀行印ならこの書体・・・認印だからこのサイズ等という決まりは有りません。
※実印や銀行印にはそれぞれの自治体や銀行による規定が有ります。登録される自治体・銀行でご確認ください。
ご自身でその印鑑を何に使用するかによって、実印にも銀行印にも認印にも成り得ます。
その印鑑を役所で印鑑登録した場合は「実印」になります。
銀行で通帳を作る時に登録した場合は「銀行印」になります。
「実印」にも「銀行印」にも登録していない印鑑は全て「認印」となります。
実印はどういう時に使うもの?
・自動車や電話の売買
・お金を借りる
・担保の設定
・不動産取引
・遺産相続
・法人の役員になる時
・公正証書作成
・保証人になる時
など、大きなお金(価値のあるもの)が動くとき、実印が必要になります。
どういう印鑑が実印になるの?
まず、実印に「出来ない」印鑑は以下の通りです。
・ゴム印など変形しやすいもの
・印影が不鮮明なもの、文字の判読が困難なもの
・印影の直径が8mm未満もしくは25mm以上のもの
※各自治体により更に条件が加わる場合もあります。事前に登録される自治体にご確認ください。
登録できない印鑑に該当しなければ、100円の認印でも最高級の象牙でも実印登録は可能です。
登録方法は住民登録をしてある市区町村役場または、出張所に登録する印鑑及び本人と確認出来る書類(免許証等)を持参し、備え付けの申請書に必要事項を記載して申請します。
登録出来る印鑑は一人一本のみ。あなたを証明するものになります。
印鑑は必ず使い分けてください!
「実印や銀行印なんてめったに使わないからまとめて1本でいいよね」
「1回しか使わないから何でもいいんだ」
「子どもの銀行印だから可愛いので作りたい」
「自分(親)が使ってる実印(銀行印)はこんなもんだから、子どももこれと同じ様なものでいいよ」
「一番安いのちょうだい」
このようなお声をよく聞きます。
それぞれ事情はおありでしょうが、最低限、印鑑を使い分けて頂きたいと思います。
例え一度きりでも、めったに使わなくても、実印は実印。銀行印は銀行印です。
万が一悪用されれば、その銀行印で預金額の全てを失うかもしれません。
その実印で、全財産を失うどころか財産以上の借金を背負うことになるかもしれません。
認印の代わりに捺した実印や銀行印が、本当に悪用されないと言い切れるでしょうか。
また、将来立派な大人になってほしいお子さんの印鑑を「このくらいでいい」という基準で選んでしまって本当に良いのでしょうか?
「大人になったら自分で好きなの買うでしょ?」
ところが、よほど欠けたりしない限りなかなか買い替えないものです。
特に、実印はその特性上、必ず第三者(契約相手)の目の前で捺します。
相手はプロですから、それまで何百という人の印鑑を見てきています。
そこで“実印”として取り出したものが、ぱっと見で認印と思われてしまうような印鑑か、大きなサイズでいかにも実印らしい印鑑か。
後者ならば少なくとも相手に「ちゃんとした人」「しっかりした人」という好印象を持ってもらえるのではないでしょうか。
重要な契約ごとであればなおのこと、相手からの信用度が変わって来ます。
だからこそ、子どもであっても大人になった時に恥ずかしくない印鑑を持たせてあげることが必要です。
一般的な印鑑の用途別サイズと彫刻内容
実印は通常「姓」「名」のフルネームで彫刻します。結婚で姓が変わる女性の場合は「名」のみで彫刻します。
銀行印は「姓」で彫刻することが多いですが、ご家族間で区別する為に「名」で彫刻することもあります。
認印は「姓」でわかりやすい書体で彫刻します。
印鑑は雑貨ではございません。ご自身の財産の一部として大切にお使いください。
たとえ認印であっても、本人が押印したことが証明されると法律上の効力は実印と同じとされる場合もあります。
実印・銀行印が重要な印鑑であることを認識して頂くととともに、認印の扱いにも十分ご注意ください。